陀羅尼助丸について

大峯山 和漢胃腸薬 陀羅尼助丸
由来・特徴

修験道の開祖である役(えん)の行者尊が葛城山で修行して吉野に入り大峰山を開山した白鳳年間にオウバク(黄柏)のエキスを、陀羅尼経(だらにきょう)を唱えながら煮詰め、これを「陀羅尼助(だらにすけ)」と名づけて施薬を行ったのが奈良の薬の始まりとされています。


陀羅尼助丸は大和国大峯山(1720m)の麓、洞川(どろがわ)で製造されています。
主原料は、当地をはじめ本邦に産するオオバク(黄柏)と呼ばれるキハダの樹皮であり、これから大峯の寒水を用いて抽出した水製エキスとゲンノショウコ、ガジュツなどの整腸薬、芳香性健胃薬を配合し、現代人に適応した形に成丸、乾燥したものです。


オウバクは成分としてベルベリン(C20H19NO5) のほか、少量のパルマチン(C21H23NO5) など、 数種のアルカロイドを含み、更に、苦味質であるオバクノン(C26H30O7) や多量の粘液を含有しています。
本品の組成は生薬成分ばかりであり、服用に際しては「口に苦し」の例え通り、あえてその苦味を被覆・矯味することなく、 本来の姿を保っております。
陀羅尼助丸は胃の運動を促進し、唾液や胃液の分泌を亢進させる苦味健胃薬としての作用と整腸作用を合わせ持つ 和漢胃腸薬です。 ※陀羅尼助丸は医薬品です。

成分

オウバク(黄柏)キハダ Phellodendron amurense(Rutaceaeミカン科)のコルク層を除いた
樹皮から抽出した水性軟エキスである。

来歴⇒神農本草経以来、用いられる漢薬の一種であるが、わが国でも古くから民間薬に利用されている。適用⇒苦味健胃薬ならでびに整腸薬として用いる。漢方では消化炎性収れん薬として、胃腸炎、腹痛、下痢などの症状に用いる。
ガジュツ(莪述)ガジュツ Curcuma zedoaria(Zingiberaceae ショウガ科)の根茎を
通例湯通ししたものである。

来歴⇒インドでは古来から薬用に供され、700年代に欧州に伝えられた。適用⇒芳香性健胃薬として家庭薬などの原料に用いる。
ゲンノショウコゲンノショウコ Geranium thunbergii(Geraniacea フクロウソウ科)の
地上部である。
開花期直前にタンニンの含有が高くなるのでこの時期のものを採集する。

来歴⇒繁用される民間薬。古くから止しゃ薬として用いられてきた。適用⇒止しゃ、整腸剤として、また保健薬としての需要が多い。

効果・効能

食欲不振(食欲減退)、胃部・腹部膨満感、消化不良、胃弱、食べ過ぎ(過食)、飲み過ぎ(過飲)、胸やけ、もたれ(胃もたれ)、胸つかえ、はきけ(むかつき、胃のむかつき、二日酔・悪酔のむかつき、嘔気、悪心)、嘔吐、整腸(便通を整える)、軟便、便秘

【用法・用量】
1日3回、食前または食間に服用する。(食間とは食後2~3時間後)
大人(15才以上)‥‥‥1回30粒
11才以上~15才未満‥1回20粒
8才以上~11才未満‥‥1回15粒
5才以上~8才未満‥‥‥1回10粒
5才未満‥‥‥‥‥‥‥‥服用させない

【用法・用量に関する注意】
(1)陀羅尼助丸は医薬品です。用法・用量を守り服用してください。
(2)小児に服用させる場合には、保護者の指導監督のもとに服用のこと。
(3)5才以上であっても幼児に服用させる場合には、薬剤がのどにつかえることのないよう、よく注意してください。

【成分・分量】
本品1日量(90粒)中
オウバクエキス‥‥‥‥‥1,000mg(原生薬として3,000mg)
ゲンノショウコ末‥‥‥‥1,500mg
ガジュツ末‥‥‥‥‥‥‥500mg
添加物としてデヒドロ酢酸塩を含有

【保管及び取り扱い上の注意】
(1)小児の手のとどかない所に保管すること。
(2)直射日光をさけ、なるべく湿気の少ない涼しい場所に保管すること。

【使用上の注意】
次の人は服用前に医師又は薬剤師に相談してください。
(1)医師の治療を受けている人。
次の人は服用を中止し、医師又は薬剤師に相談してください。
(1)1ヶ月服用しても、症状の改善が見られない場合。